ニートの言葉

元ニートがやってみたこと・その過程で学んだこと・考えたこと・技術メモあたりを主に書いています。情報革命が起きた後に訪れるであろう「一億総ニート時代」の生き方を考え中です。

副業で作り始めたwebサービスの1年を振り返る

こんにちは、あんどう(@t_andou)です。

副業でスタートしたwebサービスですが、作り始めて1年が経過しました。

まだ成功とも失敗とも言えない状況ですので物語としては大して面白くもないとは思いますが、備忘録としてこの1年の振り返りをまとめておきたいと思います。

この記事に書いてあること

対象読者

・Webサービスを作ってみたい人
・自分のサービスで生きていきたい人
・サービス作りの流れに興味がある人

何を作ったのか

競艇(ボートレース )を予想する人工知能「みずはのめ」を作りました。
まだまだ発展途上ではありますが、結構当ててくれます。

名前の由来は「水の神様」です。

なぜ作ったのか

理由はシンプルで「不労所得で生活をするため」でした。
そのために「ギャンブルで稼いでくれる人工知能を作ろう」と考え、スタートしました。

今は若干方向転換しつつありますが、「不労所得で生活をするため」という軸はブレていません。

なぜ競艇なのか

特に強い動機は無く、一緒に始めたメンバーがデータを集めていたからです。

よく「なぜ競馬じゃなく競艇なのか」と質問されますが、このプロジェクトを始めた時点ですでに競馬予想AIは3つくらい有名なものがありました。一方、競艇予想AIはブルーオーシャンだったため、競艇を選びました。

また、競艇は365日開催しているので中央競馬と比べるとデータ数が多く機械学習に向いてると考えたのも一つの理由です。

ちなみに、僕自身は競艇が大好きというわけではなく、当初は1号艇が強いということも知らないレベルで、今でもモンキーターンを15巻まで読み終わった程度の知識しかありません。選手の名前も顔もほとんど知らないくらいです。

経緯

ここからはサービスの製作開始から現在までの経緯を記録しておきます。

すごく長いので興味が無い方は読み飛ばしてください。

2017年9月

以前お仕事をいただいていた福岡の会社の社員さんから、「あんどうさんと話したいと言っている学生が居る」と聞き、話すことに。
当時、僕は東京・彼は福岡だったのでスカイプで話しました。

雑談をしていると、「競艇の予想をしているが、なかなか上手くいってない」と言う話になり「面白そうだから一緒にやろう」と提案。

この時が初めての接触で、それから一年間で彼とリアルで会ったのは3回程度。ずっとリモートワーク的に開発を進めてきました。

2017年10月

最初は自分たちが賭けて儲けることを目標としていましたが、どこまで上手くいくのかは想像出来ませんでした。

そこで、人知れず挫折するパターンを避けるため、拙い予想だったとしても世の中に公開しようと判断し、全レースの予想公開に向けて開発を始める。

彼も卒業を間近に控えていたし僕も本業があったため、二人とも副業という関わり方ではあったものの、このサイトは間2週間くらいで完成し、10月末に公開しました。

サイトだけではなく、全レースの予想を自動でTwitterへツイートするbotも作りました。(ツイートしすぎて三回くらい凍結されました。)

彼はデータの扱いに強く、僕はWeb方面のスキルを持っていたため、うまく分業でき、進捗はすごくスムーズでした

ここから3カ月くらいは毎日がハッカソンくらいのスピード感で進めていた気がします。

2017年11月

競馬や競艇の経験がある人なら分かると思いますが、予想確率だけでは回収率を高めることができない*1と気づき、その時点でのオッズと見比べつつ「美味しい舟券の判断」をしやすいダッシュボードを作りました。

そのダッシュボードを見つつ自分たちでも賭けてみた結果、ちょっと儲かったのでそのことをブログに書きました。

blog.takuya-andou.com

2017年12月

上のブログを公開したあと、「ダッシュボードを自分にも使わせて欲しい」という反響がちらほら出て来ました。そこで、Webサービスにしようと決意

事前登録を受け付けたところ、70名くらいの方にご登録いただきました。

その時に書いていた記事はこちら

blog.takuya-andou.com

このくらいのタイミングで当時の職場の知り合いから「講談社の人(その人の同級生)が取材をしたいと言ってる」と聞き、快諾しました。急いでリリースせねば…と焦ると同時に、やはり拙いものであっても公開することは大切だなと痛感しました。

2018年1月

頑張って開発を続けました。

僕は基本的に怠け者なのですが、「使いたい」とか「取材したい」という人が出てきてくれたおかげで責任感・義務感が出てきて開発が捗りました。強制的にでも「やらなきゃいけない環境」に身を置くのは大切ですね。

2018年2月

サービスをリリースしました。

blog.takuya-andou.com

ひと段落ついたものの、バックテスト機能など作りたいものがあったので機能開発を継続した。

また、講談社の方からの取材はこの辺りで受けました。

2018年3月

2月に受けた取材の記事が講談社さんの「現代ビジネス」で公開されました。

gendai.ismedia.jp

この記事のおかげでアクセスが一気に増え、ユーザーも増えました。
売り上げも一時的ではありますが増えました。

ちなみに、僕の写真に「人工知能を人間には理解できない領域まで育て上げたい」というキャプションが付けられたことで、周りからマッドサイエンティスト扱いされました。

2018年4月

一緒に進めてきた彼が知り合い経由で「福岡のローカル番組に出演する機会をもらった」と言うことで、地元福岡のローカル番組「野望研究所」に出演

www.youtube.com

ローカルの深夜番組でしたが、アクセスが一瞬だけとんでもないくらい増えました。

僕はもう最近は全然テレビを見ないのですが、やっぱりテレビの力ってすごいんですね。

2018年5月

電通の方から「みずはのめで講演をしてくれないか」とお誘いがあり、電通さんで講演をしてきました。

dentsulab.tokyo

みずはのめをテーマに話して欲しいと言われていましたが、競艇やギャンブルが好きな人は多くないだろうと思い、自己紹介的な講演にしました。

2018年6月

露出が増えたことも影響したのか、一緒にやりたいと言ってくれる人が出てきて仲間が増えました。
ですが、売り上げはそんなに多くないためレベニューシェアでの契約がほとんどでした。

2018年7月

今後は「競艇の人工知能」というものもどんどん出てくるだろうと予想し、そう言った人工知能の予想を投稿・販売出来る場所があると良さそうだ と考えました。

そこで、人工知能に限らず、予想を投稿したり、売買出来るプラットフォームを作ろうと決意し、大幅なアップデートを開始。

方針についてはこの記事を参照ください。

blog.takuya-andou.com

2018年10月

テレビに出演して欲しいという話を数件いただき、アップデートを急がねば…と焦る。

2018年11月

収録してきました。

2018年12月1日

新しいバージョンのリリース予定です。

旧サイト(https://mizuhanome.net)を止め、新しいバージョン(https://v2.mizuhanome.net)だけになります。

現在の状況 

メンバーについて

当初は2人で始めたプロジェクトでしたが、今では9人になりました。(稼働率はバラバラで、アクティブなのは5人くらいですが)

全員本業があるため、基本的に副業のプロジェクトです。

また、ほとんどのメンバーは別々の都道府県なのでリモートでやり取りしており、会うことはほとんど無いです。(よく「副業・リモート」でうまく進めていることに関して驚かれるので、別の記事で書きたいと思います。)

収支について

毎月サーバー費が数万円かかっているものの黒字になっており、ちょっとしたアルバイト代くらいは稼げています。ですが、ほとんどを開発費に回しています。

工夫すればもっとコストを減らせると思いますが、数万円のコストを減らすために時間を使うよりも開発スピード優先で進めてます。

メンバー全員が生活できるレベルの売り上げにはなっていないのでまだまだです。

ユーザー数について

現在2000人弱です

あまり宣伝をしてない割には毎日登録してくださる方がいてありがたいです。

PVについて

月間で15万PVくらい。平均セッション時間はだいたい10分~12分くらいです。

多いのか少ないのかはよく分かってないですが継続的に使ってくれているユーザーさんが居て嬉しい限りです。

良かったこと

最後に、この一年を通して痛感した「自分でサービスを作る時にオススメしたい2つのこと」を書きます。

その1.完成度はともかく公開してみたこと

僕は普段から「なんでも良いからアウトプットすることが大切だよ」と色んな人に言っているのですが、みんな完璧主義なのかそれとも恥ずかしがり屋のか、なかなかアウトプットすること出来る人は少ないみたいです。

もちろん全てを公開すべきだとは言いませんが、「どこを目指して」「どんなことをやっているのか」くらいはオープンにしておいた方が良いかなと思います。

みずはのめに関して言うと、初めは「自分たちで賭けて儲けること」だけを目標にしていましたが、「保険」として活動を公開していました。(当時の精度が低い予想でもしも損をした人がいたらすみません。)

その「保険」のおかげで色んな方から反響があり、有料化しようと決心するまでに至りました。また、公開していたおかげで一緒に進めたいという仲間も増えました。

今は「自分たちで賭けて儲ける」という目標もクリアし、回収率175%になる条件を見つけました*2が、もしも活動をオープンにしておらず反響がなかったら、ここまで続けられなかったと思います。

その2.有料のサービスにしたこと

自分が作ったサービスを公開するだけならともかく、有料で提供するのはすごくハードルが高かったです。

なぜなら
・こんな完成度でお金をいただいたも良いのだろうか
・決済周りのシステムを動かすの怖い
・有料にすると責任が重くなる
といったことを考えてしまうからです。

こういった理由から「無料で公開してサーバー代くらいは広告費で稼ぐ」という選択を選んでしまいがちです。(もちろん、それも良い選択です。)

ですが、今となっては有料にして良かったと思います。

良かった理由はいくつかあるのですが、一番大きな理由としては
売り上げをサービスへの投資に使える
ということです。

すごく当たり前のことなのですが、売り上げがあるとそのお金で開発を依頼したり、サーバー費に充てたりすることが出来ます。

もしも無料で公開していたら、お金を渡せないので人を集めづらかったのではないかなと思います。(お金が無くても一緒にやってくれる人は多いと思いますが、1円も渡さずに手伝ってもらうことに僕は抵抗を感じるため。)

最後に

思いつくままに書き殴りましたが、もしもサービスを作る上で気になることや質問などありましたらTwitterあたりで質問してもらえるとありがたいです。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。

今後とも「みずはのめ」をよろしくお願いいたします。

*1:的中率100%なら別ですが

*2:11月に限っていうと270%くらいでした